プロジェクト・テイクオフ [hobby]
前記事に続き今回も昔話を。今から16年前、書店にてふと目にした航空ファン。零戦21型が表紙だったのでその記事をパラパラと読み、棚に戻そうとするともうひとつ気になる記事が。
なんでも大戦中に墜落した機体をベースにみんなの募金(を軸に)にて零戦を復元、しかもハワイから島伝いに日本まで飛行させよう!という壮大なプロジェクトだったのです。しかも募金者全員のリストをその零戦に積んで飛ばしてくる、とか寄付が一定額以上の人には(墜落した)機体の翼の一部(かけら)が埋め込まれたフレーム進呈とか。当時はまだフライアブルな零戦は世界に2機しかなく、3機目の復元に自分でも少し「力」になれるんだ!という嬉しさからすぐに寄付を決意、数日内に大枚を叩いてこのプロジェクトに微力ながら参加したのでした。そしてすぐに送付されてきたのが上のフレームと↓のお礼状。
もちろん寄付は最初の1回だけでしたが、その後も数か月から1年おきぐらいに封書やハガキにてレストア(機体の復元)の進行具合などが報告されて来ました。現代のようにネットや携帯が普及してない時代でしたからね。
しかし、このような復元作業が日程や予算面において当初の予定通りいくハズもなく、このプロジェクト・テイクオフ委員会からの報告も徐々に途絶えがちになり、ですが零戦の方はロシアにて少しづつではあるが確実に復元されている、という状況でした。最後の方は復元作業の進行状況は雑誌(航空ファン)等でご確認下さい、との通達もあったような…。
(左が事の始まり、航空ファン94年8月号、そして右が初飛行の記事が載った98年9月号)
そしてプロジェクトが始動して4年余りの歳月を経て、ついに零戦22型X-133号は無事に完成したのでした!もちろんこの情報も航空ファンからでしたが、間もなく委員会からの最後のハガキにて零戦飛ぶ!の報告が届きました。海外での実機の復元も大変だったでしょうが、日本での委員会存続も資金難などで困難を極めていたと思います。ですがそんな中でも、こうして寄付した人達の想いを最後まで面倒見て下さった委員会の方々に感謝です。
その後、この零戦が日本まで飛んでくる事は実現しませんでしたが、後に公開された「パール・ハーバー」に飛行可能な他の零戦と共に見事な飛行を見せてくれていました。
最近は…たぶんアメリカのどこかにいると思いますが、いつか日本でも飛ぶ姿が見たいです。
2010-06-07 23:56
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こんばんはー、
このプロジェクトの話は、当時新聞で見かけたのですが寄付はしなかったのでその後の詳細までは知りませんでした。
数年前に買った文庫本「零戦はいまも世界の空を飛ぶ」に、日本で所有している実際の栄エンジン(河口湖の物ではないです)をレストアしてこの機体に付ける、と言う計画も進んでいた事が出ていて、実現すればすごかったのになーなんて思っていたりします。
この22型はDVDが出ていたので、以前アブク銭があった時にアキバで買って来ていたりして・・・
使っているエンジンの直径がやや大きいので、ちょっと機首のラインが違うのですが一緒に飛んでいるヘルキャットと比べると、「兵器」なのですがある種の美しさがありました。
このX-133、先日立ち読みした「航空ファン」に出てましたが、最近はオーストラリアに遠征していたようです。ついでに日本にも寄って欲しかった!
by ひまねね (2010-06-09 20:54)
今日、帰りに航空ファンを立ち読み^^。この22型の遠征記事を読んで来ました。元気に?活躍してるみたいで何より、ですが維持費とかどうなってるんだろう?とかも考えてしまいました。
いつの日か日本の空を飛んでくれればイイのですが、私自身が海外の大きな航空ショーを見に行く!というのもひとつの夢であったりします。
by 白 (2010-06-11 22:02)